岐阜キリシタン小史(39)―『南蛮屏風』に描かれたロレンソ了斎―

下の老人の絵をご覧いただきたい。
和服姿で、右手に杖、左手にロザリオを握った年老いた日本人修道士。この人物こそ、イルマンのロレンソ了斎であるとされている。白い眉毛で背中が曲がった老人の姿は、当時の記録に基づいた彼の特徴であったという。
この図像は、狩野内膳(1570~1616)が描いた『南蛮屏風』の右隻に描かれている。

内膳の落款を伴う『南蛮屏風』は5 件確認できるそうであるが、この屏風は神戸市立博物館蔵のものである。(余談であるが、この博物館は前身のひとつが神戸市立南蛮美術館であったため、南蛮美術の世界的なコレクションを多数所蔵していることでも知られている。)

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岐阜キリシタン小史(38)―日本宣教を支えた修道士・ロレンソ了斎―

16世紀、日本にキリスト教が伝来し、多くの宣教師たちが来日して宣教活動に励んだ。ザビエル、フロイス、ヴァリニャーノ―彼らの働きは広く知られているが、その陰で日本人イルマン(修道士)のすばらしい働きがあったことをご存じであろう。もし彼がいなかったなら、日本の宣教は大きく遅れていたに違いない。その名はイルマン・ロレンソ(ロレンソ了斎)。そのロレンソ了斎(以下ロレンソとのみ記す)について、今回から数回にわたり紹介したい。また、このロレンソと岐阜とはわずかではあるが関わりがあるので、そのことについても触れていきたい。

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