岐阜キリシタン小史(21)―『尾濃葉栗見聞集』のこと③―

岐阜キリシタン小史(21)―『尾濃葉栗見聞集』のこと③―
前回につづき、『尾濃葉栗見聞集』「天上巻」にあるキリシタン関連の記録の三つ目である「伴天連江州安土へ來る事及南蠻寺建立並滅亡之事」について見ていきたい。
当時の宣教記録としてはルイス・フロイスの『日本史』が有名だが、それに対して『尾濃葉栗見聞集』は民衆側から見た記録であり、とても興味深い。作者の吉田正直は占術や加持祈祷を生業にしていた人物であっただけに、それに関わるような記述もある。
長い文章であるので、今回から数回に分けて扱い、前回同様に翻訳と現代語訳を記していく。現代語訳と註書は執筆者による。また、今回から段落の区切りも筆者が行う。


「伴天連江州安土へ來る事及南蠻寺建立並滅亡之事」

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岐阜キリシタン小史(20)―『尾濃葉栗見聞集』のこと②―

今回から何回かにわたり、『尾濃葉栗見聞集』のキリシタンに関係する箇所を翻訳し、現代訳を付してみたいと思う。同書のキリシタンに関わる箇所は「天上巻」(1934(昭和9)年発行の一信社版では「巻一」)に集中しており、翻訳と訳出はこの巻からのものに止めることとする。なお、現代語訳と註書は本文執筆者による。


大臼塚由來之事

濃州羽栗郡笠松の下に續て藤掛と三ッ屋との堺木曾川堤添ひに松の古木あり、里人呼て大臼塚といふ、切支丹輩斬罪せられし舊跡なり。古老の傳説に切支丹の者多く斬罪の節歴々の人もありし由、皆悅て討れけるよし、其中に鼠と化して樹木にのぼりしを鳶來て摑み去ると云ひ傳へたり。

(現代語訳)濃州羽栗郡笠松の近く、藤掛と三ツ屋の境界にある木曽川の堤防沿いには、松の古木が立っている。地元の人々はその場所を「(注)大臼塚」と呼んでいる。そこは、かつてキリシタンが処刑された跡地である。古老の言い伝えによると、キリシタンが多数処刑された際、名高い人々もそこに含まれていたという。彼らは皆、喜んで討たれたとのこと、その中には、鼠に化けて木に登った者がいたものの、(とび)がやってきて掴み去ったという話も伝えられている。 (注)大臼は「だいうす」で「デウス」に由来する。岐阜キリシタン小史(3)参照のこと。

岐阜キリシタン小史(19)―『尾濃葉栗見聞集』のこと①―

岐阜キリシタン小史(19)―『尾濃葉栗見聞集』のこと①―

数年前岐阜のキリシタンのことを調べている中で、岐阜県立図書館(の二階の書架)にて偶然に『尾濃葉栗見聞集』という書物を見つけた。以来この書物のことがずっと気になっていたが、時間に余裕がなくなかなか調べることができなかった。(「岐阜キリシタン小史(4)」で少しだけ触れた。)
最近、他にいくつかの資料が揃ったこともあり、何回かにわたってこの書物のことを記してみたい。

『尾濃葉栗見聞録』 天下巻・表紙
岐阜県図書館蔵
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主日礼拝メッセージ 使徒信条の信仰13「聖なる公同の教会」2025/07/20

聖書箇所:マタイの福音書16章13-20節
鴨下直樹牧師

美濃のキリシタン−秘められた祈りの証し−

「聖なる公同の教会」 マタイの福音書16章13-20節

使徒信条による説教13

2025.07.20

 昨年、私たち同盟福音キリスト教会は、横浜での宣教を開始しました。もうすでに、数年前からフライスレーベン宣教師ご夫妻が伝道をはじめていたのですが、礼拝のための場所を借りて、礼拝をはじめました。教団の役員会でも、その数年前に一度横浜を訪ねて、宣教地の視察に行ったことがあります。そのときに、横浜にあります横浜海岸教会を訪ねました。と言っても、外から見ることしかできなかったのですが、ここが日本で最初のプロテスタント教会なのかと感慨深い思いでした。横浜海岸教会というのは、日本で最初のプロテスタント教会です。

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主日礼拝メッセージ「神とともに歩む人生」2025/07/13

聖書箇所:創世記5章1-32節
鴨下直樹牧師

創世記5章1−32節 「神と共に歩む人生」

2025.07.13

 先週、中野集会が行われました。その中野集会でお話ししたテーマは「老い」です。「老い」というのは、私たちはできれば避けて通りたいことと考えているかもしれません。「老い」という言葉から、あまり良いイメージは出てこないのです。

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