岐阜キリシタン小史(21)―『尾濃葉栗見聞集』のこと③―
前回につづき、『尾濃葉栗見聞集』「天上巻」にあるキリシタン関連の記録の三つ目である「伴天連江州安土へ來る事及南蠻寺建立並滅亡之事」について見ていきたい。
当時の宣教記録としてはルイス・フロイスの『日本史』が有名だが、それに対して『尾濃葉栗見聞集』は民衆側から見た記録であり、とても興味深い。作者の吉田正直は占術や加持祈祷を生業にしていた人物であっただけに、それに関わるような記述もある。
長い文章であるので、今回から数回に分けて扱い、前回同様に翻訳と現代語訳を記していく。現代語訳と註書は執筆者による。また、今回から段落の区切りも筆者が行う。
「伴天連江州安土へ來る事及南蠻寺建立並滅亡之事」
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